いろいろな「おかず」がある中で絶対に主菜にはなれないが、主菜しのぐものがある。 例えば、母の代から伝わっている「糠床」で漬けたお新香。庭の梅の木で採れた梅で作った梅干し。旬の野菜で造ったしば漬け、細い野蕗で造った「きゃらぶき」などである。 八百屋の店先から筍やわらびの姿が消えると、細くて青々とした野蕗の束が並ぶ。 私はその野蕗を見ると買わずに帰ることは出来ない位大好物である。 手に入れた蕗は、綺麗に洗って3センチ程の長さに切り揃えたものを大きめの鍋に入れ、ほぼそれがかぶる位の鰹節のだしを張り、蓋をした強火で煮る蕗がやわらかくなった頃にはだしの量は三分の一位になっているはず。 酒、醤油、少量の味醂、鷹の爪を忘れないで。
6月きゃらぶき
大きめの鍋と云ったのは、煮ながら何度もアオルからです。アオルとどういう訳か艶良く煮えるのです。そうして小一時間、蕗と鍋と格闘して、実に美味なる「きゃらぶき」が煮上がります。一本一本つまみ食いをしながら、私好みの味に仕上げるのが極上。そして、そのまま蓋をして一日置いて下さい。鍋のそばを通ったとき、必ず蓋を取って、ささっと返して下さい。翌日の朝の食卓ではうならせることが出来るはず。そんなもの食べたことないヮとおっしゃる若い方々、一度造ってみてください。炊きたてのご飯と、このきゃらぶきを食べたら、日本でよかったと思いますよ。 目立たないお母さんのイヤリングのようにきゃらぶきは素敵な食べ物です。
早川先生のお料理
日時:毎週火・水曜の11時から14時にて開催。4名1組よりお受けいたします。但し、人数が揃わない場合ご相談くださいませ
上記5品 ¥10,000
持ち物:エプロン&ペン
早川弘子
料理研究家
レストラン 目白山 オーナー
クッキングサロン 目白山 理事
1988 年、専業主婦としての生活の集大成として『レストラン 目白山』を湘南・片瀬にオープン。住宅地の内部で“家庭の中の店”という形態が、近隣の多くの主婦の方より支持を得る。また、料理を提供することと共に、そこに集う人と人の交流をもう一つの目的としたこのレストランは地域のアーティストによるコンサートや文化活動の場としても注目される。現在は、レストランで出されるお料理を、料理教室『クッキンングサロン 目白山』にて、世代を超え“料理”を愛する多くの方へ伝えている。
